シリフ霊殿
Schild von Leiden

あなたへ、
 時々、本当に時々だけれど、自分の立場が恨めしくなる。

 ただ守られる事しか出来ない子供のような自分が。



「政宗ぇ!てめっ、俺の分の魚まで取ったろ!」

「Han?何の事か見当もつかねえなぁ」

「政宗殿、先日某の餅を取った上に元親殿にまで手をかけるとは・・・」

「だーかーら、あれは俺じゃねえっつってんだろうが!」

「つーか、おい、そこの犬。どさくさに紛れて盗ってんじゃねえよ」

「むっ!」

「むじゃないよ二尾の旦那。ほら、俺様の分あげるから鬼の旦那におかず返しなさい」



「・・・あのさー元就」

「足りぬか?」

「いやあの、向こうが」

「阿呆共をいちいち主が気にする必要は無い」

「気にする必要は、無いかもしれないけどさ・・・その」

 やっぱり自分だけが元就の庇護の下にのうのうと食事にありつけるのは申し訳ない気がする。



サバイバルな食事風景
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