シリフ霊殿
Schild von Leiden

バサラ学園奮闘記
 修学旅行っていうのはある意味クラス対抗だ。
 何故なら生徒の日頃の行いが学年単位で露呈するからね。
 例えばあそこのクラスは整列するのが遅いとかこのクラスはいつまでも私語が止まないとか。
 という訳であたしも担任として若干気を引き締めて参ります。

「そんじゃちょっくら真面目に苗字で点呼取るよー。真田」
「御前に!」
 ……お前は戦国武将か。
「気を取り直して猿飛ー」
「はいはいっと」
「伊達ー」
「I'm here」
「毛利ー」
「キラッ☆」
「……」
 誰だ今流星にまたがって急降下してった奴は。
 ていうか、あれ、マクロス知ってそうなのって元就より元親のイメージだったよ。
「あれ、もっぺん呼ぶよ毛利元就ー」
「……き、キラッ☆」
「……」
 あたしは無言で元就の額に手を当てた。
 平熱だった。
「何やってんの元就」
「き、昨日花札で負けて……」
 成程、罰ゲームか。じゃあしょうがないな。



「ところで、就寝時間過ぎても見回りやり過ごして花札やってたのは後誰と誰かな?」
 今日は山登りだからさっさと寝ろってあたし言ったよね?




修学旅行:朝
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