シリフ霊殿
Schild von Leiden

びばるしゅ
 ティエリアが珍しく機嫌良さそうです。
「何かあったの?」
 アレルヤが尋ねました。
 ティエリアはいつもの調子で振り向くと、つんとして言いました。

「今日は#ナナが来るからな」
「#ナナ?#ナナって誰だい?」
「……君は彼女を知らないのか?」
「え、うん」
「全く、仕方が無いな君は」

 ティエリアは溜息を吐いて言いました。
「今夜俺の所に来れば分かる」





 夜のトレミーは静まり返っていました。
 皆もうとっくに休んでしまって、電気の明かりも弱くなっています。
 アレルヤはそっとティエリアの部屋の前に立ちました。
「ティエリア」
 呼んでみましたが中から返事はありません。
 その代わりに中からは楽しそうな笑い声が聞こえてきます。
「ティエリア、入るよ?」 
 気になってドアを開けると、中には誰も居ません。
 ただ机の上の大きなモニターが付けっぱなしになっていて、笑い声はそこから聞こえてきているのでした。
 アレルヤがモニターを覗き込むと、中では、



 ティエリアと女の子が二人で楽しそうに笑っていました。



アタゴオルを目指して爆死
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