シリフ霊殿
Schild von Leiden

動物使い
 一応俺、ケーサツだし。
 警察犬って言葉もある事だし。
 犬を飼ったり芸を仕込んだりするのは別におかしい事じゃない。
 上手く育ててもし仕事の役に立てば、近藤さんも褒めてくれるし、土方のバカヤローだって悪い顔はしない。
 まァそんな御託はさておいて、今日も地道にトレーニングだ。
「行けィサド丸五十二号、#奈々さんのスカート捲って来い」
「わんっ」
「何教え込んでんだコラァァァあたしが小動物に手が上げられないの知っての所業か!」


 ていうかアンタ動物に全部通し番号付けてんの?
 あ、いやァ番号は適当につけてんでさァ。サド丸一万四千号ってのもいます。
 お前のペットはタマネギ部隊か。
 やだなァ#奈々さんガラスの十代の俺にそんな古いネタ分かる訳が、
 お前絶対知ってんだろ今の答え方は絶対知ってるよねお前。
 いやいや俺なんか#奈々さんに比べればまだ靴紐の結べないアランですぜ。
 よっしお前歯ァ食いしばれ。


「全く、偉そうな事言っといて結局仕事には使わないんだもんねー」
「#奈々さんイテェ本気で殴るんだもん」
 俺が痛がっても#奈々さんは全く気にしないでサド丸を撫でている。
「仕事に使わないのに動物躾ける意味なんてあるの?」
「ありやすよ?」
「……何で今即答されたんだろう、あたし」
「いや何か#奈々さんスゲーいい顔してるんで」
 少なくともその点では意味があったって事になる。
 ていうかアンタずっとそうしてればいいだろ、と、言ったらまた殴られるので止めた。



応酬のネタが分かった方は握手して下さい
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