「そういえば貴方様は皇族の血を引いてらっしゃるそうですね」
天皇家の人間が何故持て囃されるのか。
確か元々の理由は彼等が神の直系の子孫であるからだ。
そして実は我等も元を辿れば神で、
しかし皇族の人間の神の血の方がずっと濃いので崇敬の対象となっている。
要はそれだけの事らしい。
「元就様信心深いからなぁ」
#奈々にしてみれば皇族の神威など昔の話だ。
六十文で御親筆が下されるご時世、天皇家の威光など地に落ちたも同然。
大体神の血を引いているという事実自体神代の昔の話なのだから、
たとえ実際に血を引いているとしても一滴流れているかどうかだろう。
それで果たして直系などと言えるのかどうか。
けれどもまぁ大好きな主君が神と思っておけと仰るので、毎回渋々ながら従う事にしている。
「ただ、ご主人様の邪魔をするなら神だって生かしちゃおかないんですけどねッ☆」
南蛮の神と違って簡単に死ぬから便利だ、と彼女は常々思っている。
ダブルクロスのDロイスをお題にした企画