シリフ霊殿
Schild von Leiden

重装備
 鎧や兜なんて、忍びのあたしに比べれば随分な重装備ですよね。
 言っていたら重装備は貴様の方だろうと言われた。
「え、そうですか?」
 忍びですし割と軽装を心掛けている心算なんですが。
「その軽装の中に、どれほど仕込んで居る」
「えーと、手裏剣撒きびし苦無に目潰し、これが爆薬でそっち毒薬で……」
 丁寧に数えていたら呆れたような目で見られた。
 何でですかどれだけって聞かれたから確かめようとしただけなのに。
「それだけ身に着けておいてよう動けるな」
「まぁ、それだけ持つ事前提に修行してますんで」
 そっか、重装備なのかこれは。今の今まで気にしてなかった。
「とすると元就様の方があたしより軽装って事ですか」
「代わりに、貴様では到底背負いきれぬものを背負っては居るがな」
「……そうですね」
 それを少しでも軽減して差し上げる為にあたしが居るんでした。
 だったらこれぐらいの重装備は何でも無い。



実際頭と袖しか守ってない鎧
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