○がつ○にち ○ようび
きょう、わたしがおすなばであそんでいたらもとなりくんがやってきました。
「なぁにもとなりくん」
わたしはすこっぷをかしてほしいのかなとおもったけどちがいました。
もとなりくんはなんだかちょっとおこっているみたいだったけど、
これはそうみえるだけでほんとうはとってもやさしいのできにしません。
「そなたは、われのいいなずけだからな!」
「いいなずけってなぁに?」
づけっていうから、おつけもののなかまかしら。
かえったらおかあさんにきこう、とわたしはおもいました。
もとなりくんはかけっこをしたあとみたいにまっかになって、
やっぱりおこってるみたいにおおきなこえでいいました。
「いいなずけだから、そなたはしょうらいわれのおよめさんになるのだぞ!」
「およめさん?」
もとなりくんのおよめさんになったら、およめさんのどれすがきれるのかなあ。
このあいだけっこんしたしんせきのひとみたいにまっしろなどれすだといいなあ。
それで、ふたりでわらいながらけーきをきってたべられたらいいなあ。
「うん、いいよー」
わたしはもとなりくんにこういいました。
だからわたしはしょうらいもとなりくんのおよめさんです。
「……何だこれは」
「十ン年前の私の日記です」
「何故このようなものが残っているのだ」
「いやーこの頃のあたし文字覚えたばっかりで字書くのが楽しくてね、そりゃーもう丁寧に日記つけてたんだ」
「何故残っているのだと聞いている」
「幼馴染の初々しい思い出に。元就許婚の意味取り違えてたんだよねー可愛いの」
「今すぐ捨てろ!」
「嫌です勿体無い。良いネタになるのに」
「貴様……」
「で、この約束どうなるの?守ってくれるの?」
「……一度した約束を違える訳にはいかぬ」
「素直じゃなーいの」
「煩い!良いからさっさとその日記を捨てぬか!」
「やですー」
「#奈々!」
幼少期の恥は本当にタチが悪いと思う