シリフ霊殿
Schild von Leiden

こんなハッピーエンド
 城内のある一角で、中国と四国との同盟の書簡が取り交わされていた。
「ま、これで一応同盟成立って訳だ」
 数度目に署名と血判を押しながら元親が言った。
「ふん、同盟だと?勘違いするな」
 元就は案の定眉間に皺を寄せながら元親を睨み返す。
 自分は和議を了承したに過ぎない、という無言の意思表示。
 後々彼らの間に何かがあれば、和議を申し入れた四国側に非がある。
 彼の言葉はそれを確認する為の手段であった。
「そもそもこの和議は一時的なもの。魔王を退けたら……」
「良かったですね元就様、美味しいお魚食べられますよ!」
 言葉を遮ったのは頭の悪い笑顔。
「……」
 ぶっ、と元親が吹き出す音。
 元就は反射的に隣に居た家臣を殴りつけていた。
「な、何で殴るんですかっ?」
「喧しい、黙れ!」
「だって元就様、同盟成立したら美味しい魚がとか色々言ってたじゃ……あたっ!」
 海賊の笑い声はしばらく部屋に木霊した。



いつも元就があほのこ枠なので、主人公側にしてみた結果
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