シリフ霊殿
Schild von Leiden

恋愛せよ
「元親」
「何だよ」
 昼食のミラノサンドを齧りながら生返事。
 どうせ恋の話題だろうと思うとうんざりする。
 この友人が恋と名のつくものが好きなのは知っているが、
 生憎自分の傍には溢れ返りすぎてアナフィラキシーショックでも起こしそうだ。
「この会社ってさ、社内恋愛禁止じゃないよね?」
「多分な」
 実際そんな下らない事項を明文化している会社があるのかどうかは知らないが。
「あれってさ、同性OKだっけ?」
「……俺が知るかよ」
 視線の先には我らが上司。と、今年入った新入社員。



「毛利部長、お昼作って来ました!」
「まだ仕事が残って居る。先に食べておれ」
「あ、じゃああーんして下されば俺が食べさせてあげますから」
「……では、卵焼きを」
「はいっ」
「砂糖は入って居るであろうな?」
「勿論です!」



「転職したい……」
 猿飛の口癖を、まさか自分が呟く日が来ようとは。



ちょっと甘すぎました
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