シリフ霊殿
Schild von Leiden

わんこ、待て
「毛利さん」
 背後から近付いて、ビニール袋に入った例のブツを差し出す。
「む?」
「牛乳プリンと雪見大福、それからチロルチョコきなこもち味です」
 手が伸びて来たのでさっと上にやると、案の定あからさまに不機嫌になった。
「貴様、我の見舞いに来たのでは無いのか!」
 見舞いって大袈裟な、ただの健康診断でしょーが。
「見舞いですよ。見舞いだから検査が終わるまで待っててあげます」
「うっ……」
「確か、検査の五時間前からは物を食べないようにって言われてましたよね?」
「……」
「採血くらいで何怖がってるんですか、ほら雪見大福が溶ける前にさっさと」
「〜分かった、行けば良いのであろう行けば!」
「行ってらっしゃい〜」



現代ならきっとこれくらいもあるある
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