シリフ霊殿
Schild von Leiden

太陽は昇りまくる
「あっ、アマテラス殿!」
 元就が悲痛な叫び声をあげるのが聞こえて、しまったと思う間も無く、
「貴様、我らが慈母に何たる無体か!」
「あだっ!?」
 クッションで強かに頭をはたかれる。
 モノは柔らかくとも、力がこもっているのでそれなりに痛い。
「痛ったい!またミスしたらどうすんの馬鹿!」
「アマテラス殿の受けた痛みに比べればまだ軽かろう」
「ゲームと一緒にすんなっ!」
 そーゆー二次元と三次元の区別のつかなくなった人間が犯罪とか起こして、
 自宅から大量のゲームが押収されてオタクバッシング引き起こすんですよっ!
 いや、こいつゲームも漫画も持ってないけどね。ここあたしの家だし。
 こいつはあたしがやってるのを後ろから見てるだけだし。
 つーかお前あたしが他のゲームやってると鼻で笑う癖にこの野郎。
 まぁそれはさておいてだ。
「大体貴様は日頃から日輪の恩恵というものをだな」
「はいはいほらアマ公勝ったよ」
「不躾な呼び方をするでないっ!」
 いや、だって。
 反論するのが面倒になってきたので、無理矢理ゲーム画面に視線を移させる。
 丁度そのアマテラス殿の勝利画面が出た所だから。
「おお、アマテラス殿……何と神々しい……」
「……」
「何をしておる、早う続けぬか」
 ……えーと、次のボスまで大分あるんですが。
 あたしそろそろ限界なんですが、眼精疲労的な意味で。
「いっぺんセーブして切っちゃ駄目?目が……」
「うむ、ならば休憩を許す。五分で戻って来い」
 画面そのままでかよ。お前アマ公の寝てるとこ見たいだけだな。
「終わったら先刻手に入れたあの武器を使っている所が見たい」
「……それ終わったら切って良い?」
「その次は先刻入れなかったあそこへ入ってみるのだ」
 誰かたすけて。



元就は大神やったらはまりそう
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