シリフ霊殿
Schild von Leiden

紅差し指
「紅、でございますか……それでしたらまずこちらが、昨今京で流行りの品でして」
「それで良い。値は幾らだ」
「かしこまりました。どなたかへ差し上げなさるので?」
「……其方には関係の無い事だ。黙れ」



、ここに居ったのか」
「あれ元就、紅なんか持ってどうしたの?」
「こ……これはその、其方に」
「もしかして誰かにあげるの?
 まー別に止めはしないけど、確か紅を贈るのってその人に接吻したいって意味あるの知ってる?
 やー元就様はれんちー」
「っ!」
「あだぁっ!?ちょ、紅の入れ物って痛いんですけど!」
「煩い!貴様にはそれが似合いよ!」
「何いきなり!あたし親切に忠告してあげただけじゃん!」
「頼んだ覚えは無い!」
「はいはい全くすぐ癇癪起こすんだからさー。そんなんじゃ良い人に嫌われるよ?」
「〜〜っ」



紅差し指という語を知った時に書きました
前<< 戻る >>次