くてっとしている。しなっとしている。へたっとしている。
うーん、こういう状態を一体何と表現すれば良いものか。
学の無い風来坊はこれだから困るねえ。
「元就」
「……」
「いやまあ梅雨入りして雨続きなのは分かりますけどさ」
そんなに萎びる程のもんかね。
日輪が浴びられないから力が出ませんとかお前は植物か。
いや、植物なら雨でも元気になる筈だし……うーん。太陽電池?
「てゆーか、意外だな」
「……何がだ」
「あんたの事だから雨乞いならぬ日輪乞いでもすんのかと思った」
「……」
はぁー、とぐったりした姿勢のまま深い溜め息を吐く元就。
うん、その吐き方は完全にあたしを馬鹿にしてるね。
「貴様は稲の出来方も知らぬのか」
「……いやまあそりゃ詳しく知ってる訳じゃあ無いけどさ」
「この時期に雨が降らねば稲は育たぬ。稲が育たねば民が飢える。
飢えた民は兵にも出来ぬし、兵糧も徴収出来ぬ。最終的に損をするのは我だ」
思わず呆然と元就の顔を見返してしまった。
「……お優しい御領主様で」
「黙れ」
いかにも光合成しそうなので