シリフ霊殿
Schild von Leiden

前衛の髪
 どかっ、と俺の目の前に何かが置かれる。
 ボトルだ。それも割と新しい感じの。
 隅に小さな文字で、「男性用トニックシャンプー」という字が躍っている。
「おい、これ」
「あげる」
「いや、これ何?」
「シャンプー」
「そうじゃねえよ」
「お歳暮」
「早えよ」
 どう少なく見積もっても年末のご挨拶には一月ほど早い。
 つーか、どう見ても家にあったモンそのまま持ってきただろこれ。
「あ、安心して一度も使ってないから」
「そういう問題じゃねえ」
「チカ用に買ったんだけど全っ然使わないの。勿体無いからあげる」
「……あいつ何で頭洗ってんだ。石鹸?」
「あたしと同じの」
「……Oh」



姫若子かわいい
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