シリフ霊殿
Schild von Leiden

ボーダーオブライフ
 地に付いた膝を叱咤して再び立ち上がらせる。
 立った所でもうろくに戦えなどしないのだが、このまま敵が来るのを享受しているよりは随分とましだった。

 (……まだ、戦わねば)

 上司は密かに和議を進めていると聞くが、自分は賛成する気は無かった。
 まだ戦っていたい。まだ戦える。
 敵にむざむざ膝を折るような真似など出来ない。
 何より彼女に申し訳が立たない。
 頑張って下さいませ、と旗を振って笑顔で送り出してくれた彼女。
 彼女はまだ生きているだろうか、いやどちらにしても、
 彼女と彼女の愛したものを守る為に、自分は戦わねばならない。

「……私は」
 貴女の笑顔を裏切るのが何より辛いのです、さん。



 視界の向こう、敵影が見えた。



あくしす日本が勇ましそうで好きです
前<< 戻る >>次