地に付いた膝を叱咤して再び立ち上がらせる。
立った所でもうろくに戦えなどしないのだが、このまま敵が来るのを享受しているよりは随分とましだった。
(……まだ、戦わねば)
上司は密かに和議を進めていると聞くが、自分は賛成する気は無かった。
まだ戦っていたい。まだ戦える。
敵にむざむざ膝を折るような真似など出来ない。
何より彼女に申し訳が立たない。
頑張って下さいませ、と旗を振って笑顔で送り出してくれた彼女。
彼女はまだ生きているだろうか、いやどちらにしても、
彼女と彼女の愛したものを守る為に、自分は戦わねばならない。
「……私は」
貴女の笑顔を裏切るのが何より辛いのです、さん。
視界の向こう、敵影が見えた。
あくしす日本が勇ましそうで好きです