春は恋の季節でございます。
花は爛漫、ハルウララ。
「お前さっさと準備しろよ今日はアイツと、」
「嫌だっつってんだろーがこのゴリオヤジがァァ!!」
……そういえば季節はもうすぐ秋でございますね。
そしてハルウララももう引退なのでした。
「お前、幕臣に気に入られて何が不満なんだ?玉の輿だぞオイ」
「うっさい!いくらアンタが破壊神だからって可愛い姪の青春まで破壊する権利があるかっ!」
「オジさんだって頑張ってあのムサイ男共の中から選んだんだぞ?
やんちゃ系地味系クール系ゴリ系どれが好みか聞いたらお前クール系って言うし」
「クールだぁ?あれが?」
ええそりゃあたしの好みはクールビューティーですよ。
そしてあの男は確かに顔は良かったですよ。
クールに煙草吸ってクールに話してクールに優しかったですよ。
でも、だってあの人……
「『尊敬する人はリシュリュー公爵と慎子ママです』って言うんだよ!?」
ちなみにリシュリュー公爵っていうのはマヨネーズを世界に広めた人の名前です。
「あのバカ、あれほどマヨの話はすんなって言ったのに……」
「隠蔽する気だったのか!!」
計算ずくじゃねェかコノヤロー。
「まぁアレだ、アイツは確かにちょっとマヨラーな所があるが……」
「黄色い奴になるまでかけておいてちょっととは言わせねェ」
「あるが、だ。アイツは……」
「……何」
「面倒臭いから回想シーンにするわ。お前のモノローグちょっと貸せ」
「あんた一人称の小説何だと思ってるんだ」
回想開始。
『どうだトシ、見合いの感想は』
『あー?別にアンタに報告するほどの事はねェよ』
『そうか』
『ただ……』
『ん?』
『俺連絡先聞いてねェんだけど、また会う時ってどーすんだ?』
回想終了。
「……で、この回想シーンを見てあたしにどうしろと?」
「嫁に行け」
「殺すぞ」
続きを書く気力がなかった