お嬢様……と、呼べば良いのだったか。
待たせたな。注文を受けたダージリンだ。
我が紅茶を淹れる姿を目の当たりに出来るなど滅多に無い事ぞ。
光栄に思うが良い。
「なあ、何か態度でかくねえかあの執事」
「……まあ、毛利の旦那だし」
ダージリンは軟水で淹れると香りが引き立つ。
抽出時間は茶葉によって違うが、これだと3,4分といったところか。
入ったぞ。冷めないうちに早く飲んでしまえ。
……ミルク?
そんなものは知らぬ。入れたければ自分で入れるが良かろう。
「オイ元就、てめえ人には散々マナーだの何だと言っといて……」
煩瑣いぞ長曾我部、何の知識も無い奴は黙っていろ。
大体ダージリンはストレートの方が風味が良いのだ。
文句は試しにそのまま飲んでみてから言うのだな。
……な、何だその目は。
勘違いするなよ。貴様の為にではないぞ。
我の淹れたものの風味を崩されるのが我慢ならぬだけだ。
「ツンデレかい?」
「ツンデレだねえ」
「ツンデレだな……」
飲んだか。
これでもまだストレートは嫌だと言うか?……そうか。
では我は調理場に戻る。
次からは別の奴に頼むのだな。我とて貴様一人に構っている暇は無い。
……貴様がどうしてもというなら来てやらん事もないがな!
ツンデレ系:毛利元就