シリフ霊殿
Schild von Leiden

執事喫茶BASARA
 よお、待たせたな、お嬢様!
 注文はえーっと、紅茶とケーキで合ってたよな?
 何だコレ、どうやって食うんだこのケーキ。
 この紅茶も……確か俺が注いでやるんだよな。どうやんだ?
 げ、ヤベ、これ絶対零すな俺。
 お嬢様、悪ぃけど自分でやってくんねぇ?
 俺こういうの苦手だわ。

「ああああの野郎人が折角一からcoachしてやったってのに……!」
「お、落ち着いて竜の旦那」
「これが落ち着いてられるか!
 くっそ、mannerのなってねぇ奴はこれだから……」
「それより、紅茶を注ぐ手順が逆ではないか!
 あの馬鹿者、我がどれだけ貴様の手ほどきに時間を割いたと思っている」


 おお、いい匂いすんな。
 さっすがお嬢様、俺とは教育の受け方が違うってか。
 俺か?俺ぁしがない漁師の子だからよぅ。
 大学出たって精々出来る仕事はこれぐらいのもんだ。
 でも、ま、アンタに出会えた事を考えると、この仕事も案外悪くねえかもな。

「オイ、やっぱあいつしばらく接客から下げねえか」
「駄目だよ、今人手不足なんだから。
 鬼の旦那はあれはあれでウケてるし、いーんじゃない?」


 ……なぁ、そのケーキって美味いのか?
 いや、商品にする位だから味は良いんだろうけどよ。
 どうもあいつが作ったもんは信用ならねえっつーか……
 お、くれんのか?一口?
 悪ぃな。

「元親公、お楽しみの所済みませんが、料理が出来上がりましたよ。
 あちらのテーブルまで運んでいただけますか」


 ん、おーう。
 悪い、仕事入っちまった。
 もうちょっと話したかったんだけどな。
 あ、そっか、呼んでもらやぁいいんだよな!
 っつー事でお嬢様、用があったらいつでも呼んでくれよ!



ワイルド系:長曾我部元親
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