一昔前の漫画で、トイレで教師に隠れて煙草を吸うってのがあったんだよね。
その時は扉の隙間から煙が漏れてて先生に見つかったんだけど、
「ちょっとこの煙何!?」
「んむ……?」
実はスルメを焼いてただけでしたーってオチだったんだ。
その時はね。
……まぁ、この学校そんなに校則厳しくないし良いんだけどさ。
あたしだってそんなガミガミ言うつもりは無いし。
「で、君はどうして学校でお餅を焼いているのかな?」
「……」
「しかもわざわざ七輪を持ち込んでまで」
「…… んぐ、」
「あー良いよ良いよ飲み込んでからで」
急がなくて良いからよく噛んでしっかり飲み込んでから喋りなさい。
流石に餅は喉に詰まらせると不味い。
元就の喉がごっくんと上下に動くのを確認してから再度同じ質問をする。
だってこの子だけはそうそう馬鹿な行動しないって信じてるんだもの。(その割に時々裏切られますが)
「先日、親類から餅が送られてきたのだ」
「はあ」
「大量であった為、一度には食べきれず……しかし、そのまま腐らせるのも勿体無かろうと」
いや、お餅はそうそう腐らないと思うなぁ。一応保存食だし。
ちなみに量どれくらい、と聞くと、ゆうに段ボール箱一杯はある量を身振りで示された。
何だ、君の親類は餅米農家か何かですか。
「それにしたって何も学校でまで食べる事無いでしょ」
家で食べたって餅の絶対量は変わらないでしょうに。
「……母上が……」
「ん?」
「餅は一日に三個までだと……」
何だこれは。
毛利さんちのお母さんってすごい教育ママのイメージしか無かったんだけど、
何だろう今すっごく和んだぞ。微笑ましい。
ゲームは一日一時間と次元が同じだからなんだろうか。
秘密