倒れ反転した視界には一面の鈍色。
傷口から流れた血が雨に流されていくのをぼんやりと感じた。
戦国の世に生まれた以上、こうして死ぬのは覚悟の上であったが、
いざその時を迎えてみると酷く虚しいものだ。
せめて日輪が出て居れば、などと戯言を並べる気も無い。
幾ら加護を頂こうとも、最後に事を成すのは全て人なのだから。
我には事を成すだけの器が無かった、それだけの事。
ただ一言日輪に恨み言を申し上げるとするならば、
今一度その姿を拝みたかった、と
「元就様!」
こちらを覗き込む男の肩越しに日輪が差し込んでいるのが見える。
逆光で表情が定かでは無いが、誰であるかまで見間違えはせぬだろう。
「現在は我が軍優勢です。元就様は一度本陣に戻られて体勢を……」
「貴様、」
あの軍勢を払い除けたのか。
我の周囲に居たあの数の兵を、全て。
男が笑ったらしいのが気配で分かった。
「元就様をお守りできて何よりです」
嗚呼、どうやらまだ陽は沈まぬようだ。
久し振りに無印をプレイした時に