シリフ霊殿
Schild von Leiden

特権階級
 集団とは生命体に似ている。
 個々の存在が一つの細胞をなし、臓器をなし、脳と呼ばれる統率者によって意のままに操られるのだ。
 脳があり、それに大人しく従う臓器があって、初めて生命体は生命体たり得る。
 統率者無くして集団は立ち行かず、かといって統率者が一人だけ居た所で何が出来る訳でも無い。
 生命体の能力は脳の優秀さではなく、細胞の数と臓器の優秀さで決するのだ。
 脳の優秀さは、この時ばかりは臓器の一つと同等の評価をされる。
 つまり何が言いたいのかというと、



「今日は寒いね・・・っくし」
「おいおい、風邪なんか引くんじゃねぇぞ?上着取って来てやるよ」
「では、某は火鉢を。火種はありますゆえ」
「お夕飯ちょっと豪勢にしてあげるね」
「またorange採ってきてやろうか?」
「とりあえず寝よ。枕ならば貸す」

 組織の頭には、優秀な部下がついてくるだけのカリスマがあれば十分なのだ。



ダブルクロスのDロイスをお題にした企画
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